少し前まで、自分で美味しいパンが焼けるなんて夢にも思いませんでした。
僕ら世代の料理人は、パンは完全に別の分野と考えるような環境だったからです。
30年近く前、イタリアで1年間修行させてもらった時に思ったことは
「これから絶対にナポリの石窯のピッツァとバール、そしてブーランジェリーの流行の時代が来る」と確信しました。当時は、まだレストランという形式ばかりで、安価で気軽に出入りできるカフェというものが、ほとんどありませんでした。
帰国後、まず始めたのが、パン屋の求人探し。何件か有名なお店を紹介して頂き、電話や面接に足を運んだのですが、とにかく給料が安く労働時間が長く、当時赤子を養っていかなくてはならない人間にとって現実的な職場ではありませんでした。
それから数年後、日本中でカフェブーム、ちょっとおくれて石窯ピッツァブーム到来。
後悔しても仕方ないことですが、そんなこともあって、パン作りからはどんどん離れていきました。
最近は、毎週6本、ライ麦パンを焼いています。
珈琲生豆で酵母をおこして、ドイツ産オーガニックライ麦粉とイタリア産Bio認証のアーモンドを使っています。天然酵母特有の酸味を抑えています。（大の苦手なので。笑）そして出来る限り焼き切るようにしているので香ばしく、1ヶ月間ぐらい冷蔵で保存しても劣化があまりありません。
お店ではライ麦パンセット ライ麦パン、豆料理、サラダ、平飼い卵、スープ ￥1300
好評頂いております。